the essence

2022/04/15

vol.5【シルク】夏のシンプルときれい色こそ、いい素材で

桜が散ったかと思えば、急に半袖でも過ごせるような気温になったり、はたまた冬に逆戻りしたような冷たい雨が降ったり。駅にむかうまでの木々もどんどん葉が茂ってきて…なぜでしょう、焦ります。

そんなときは「ゆっくり大人になろうよ」と心の中で唱えています。これは、最近最もハマっている漫画『スキップとローファー』6巻で、志摩くんという男の子が主人公みつみちゃんにかけた言葉。

みつみちゃんは、たとえるならば“ちびまる子ちゃん”的なピュアな性格で、本人が気づかないうちに周りをハッピーにしていく。クラスいちイケメンで人気者の志摩くん(しかも優しい)とも男女の域を超えて(今後は発展するかもしれないけれど今のところ)仲良し。その志摩くんがみつみちゃんに年度末に電車内でぽろっと言ったのが、「ゆっくり大人になろうよ」です。

私は高校生のとき、「早く大人になりたい」と思っていたタチなので、このなにげない言葉がとても染みました。“今”を尊く思えること、大切にしたいと思えることは素敵だな〜と。

いつもながら前置きが長くなりましたが(笑)、今の不安定な春の気候も楽しみつつ、これから訪れる夏を大切に過ごすのにぴったりなシルクシリーズを紹介します。

どうしてもカットソー素材に頼りがちな夏。そんな夏だからこそ、カットソーとはまた異なる上質なものを纏って季節を大切にできたら…素敵ですよね!

BEIGE,のシルクシリーズは、3アイテム。Tシャツのように着られるTブラウス、裾にリブを配しスポーティなデザインに落とし込んだジョグパンツ、そしてシャツワンピースです。

いずれもシルク100%。ですが、圧倒されてしまうようなツルツルテカテカなシルクではなく、全体的にシボ感のあるシルク。ツヤ具合も控えめ、でも動くたびに生地がしなやかに流れるドレープ感はとてもリッチな気持ちにさせてくれます。
Tブラウスのネック部分(後ろ)には、ゴールドのファスナーを使用していて、それもまたさりげないツヤを添えています。

カラー展開も素敵なのです。おそらく争奪戦になってしまいそうなのは、このピンク。『Shell』というカラーで、初夏の海で拾う桜貝のような、透明感のある優しいピンクです。
襟なしのシャツ型ワンピース。デザインは至ってシンプルですが、よくよく見ると細部まで美しい…!

たとえば、前と後ろの肩部分にたっぷりの分量の生地を寄せている。こうすることで、ペラっとしたシャツワンピースにならず、とても贅沢なシルエットになります。
ボタンがくるみボタンというのも、丁寧で繊細でBEIGE,らしい仕上げ方だな〜とうっとり。袖口もまたごくごく細いリブで腕まくりをしたときの肌なじみがよく、しなやかなシルクにぴったりです。

シルク=特別な日、というイメージもありますが、これは家で手洗いできてしまうそう! これからやってくる夏を大切に尊く思えるよう、まずはシルクから。いかがでしょう?


ブラウス/¥34,100(税込)
パンツ/¥39,600(税込)
ワンピース/¥59,400(税込)


【profile】
1985年愛知県名古屋市生まれ。大学卒業後上京し、約5年半、人材系企業に営業職として勤務。28歳でエディターを志し、転身。現在はフリーランスのファッションエディターとして小学館『Oggi』、講談社『mi-mollet』などで活躍中。またアパレルブランドや百貨店との商品開発、トークイベント、コラム執筆も担当。Instagram@kobayashi_bunでは日々リアルなコーディネートを更新中。noteではエッセイも。