2019AWEssence

2019/09/27

【ラクーンニット】纏っているのは多幸感ですvol.7

この秋、ビューティ系の買い物が止まらない! 新宿の伊勢丹1Fのコスメ売り場は、いつなんどき行っても人人人…で、正直これまでは近寄る気になれなかった。はずなのに、最近は待たされてでも買い物してしまっています。

目当てはブラウンリップ。滑らかなクリーミィタイプ、ボルドーに近いマット系ブラウン、べっこう飴のように黄みと透け感のあるものetc.…ブラウンリップと言っても、質感も色味も実にさまざまで「欲しい」が止まらない。顔の中に口はひとつしかないのに、なぜこんなに集めてしまうんだろう…ちょっと自分の物欲が怖くなって(笑)、自問自答してみました。

行き着いた結論は、「塗ると多幸感が出るから」。寝不足で少々肌の調子が悪くても、飲み過ぎで顔がむくんでいても、ブラウンリップをピッと塗るとあら不思議! 顔に覇気が出る。それでいて赤リップよりも肌馴染みがよく、とってつけた感はない。だから、なんだか顔色がよく「多幸感」がにじみ出るわけです。

BEIGE,にもこの類いのニットがありました。名付けて(勝手に)、「多幸感ニット」。短髪でみっちり濃密な毛足のラクーンが成せる、角のとれたまあるいシルエット。グレーもモカも白も感じるグレージュ。着ると美しい陰影ができて、豊かな表情が楽しめます。

存在感はしっかりあるにもかかわらず、コットンのシャツに羽織っても、レザースカートを合わせても、それらをしっかり立ててくれる。決して出しゃばらず、ポジティブで朗らかな雰囲気———これこそが「多幸感ニット」と私が呼びたい由縁です。

ビューティもファッションも欲しいものに溢れている。まだまだ物欲が止まらなさそうです。はあ……困ったな、まったく(笑)。上/上からも下からも開閉できるファスナー。ふわふわなグレージュにゴールドのラインが映えます。これがあることで、まったりしがちなニットパーカーがムリなく華やぐんです。上/真冬以外ならコートがわりにもなるくらい、しっかり暖かいロングカーディガン。えりぐりは首に沿うほどのたっぷりとした分量で、ストールのようなニュアンスが顔周りに生まれます。薄手のコートとストールが一枚になっていると思うと、この価格はお買い得かも!あ、余談ですが、このカットの私もブラウンリップを塗っています。

カーディガン/¥49,000(税別)
パーカー/¥43,000(税別)
ニット/¥27,000(税別)

【profile】
1985年愛知県名古屋市生まれ。大学卒業後上京し、約5年半、人材系企業に営業職として勤務。28歳でエディターを志し、転身。現在はフリーランスのファッションエディターとして小学館『Oggi』、講談社『mi-mollet』などで活躍中。またアパレルブランドや百貨店との商品開発、トークイベント、コラム執筆も担当。Instagram@kobayashi_bunでは日々リアルなコーディネートを更新中。noteではエッセイも。