2022AWEssence
2022/12/16
vol.9【グレーニット】大切にしたい「変化なし」のあれこれ
|エディター小林文「BEIGE,の奥深きシンプル」
記事が公開される12月16日、私は新しい命をこの世に誕生させているか、はたまた陣痛とたたかっている最中か…。現在12月初旬。はち切れんばかりの大きなおなかの中から、ときどき強烈なキックを受けつつ、これを書いています。
…なんだかビデオレター的な書き出しになりました(笑)。
妊娠については安定期に入った夏以降、家族以外には直接やりとりしていた仕事関係者や会う機会があった友人に限り報告。これを読んで初めて知ったかたには、驚かせてしまいすみません。
驚くといえば、寒さが残る春先から今日までの10か月、おなかはどんどん大きくなっていったのに、「変化なし」な自分自身に驚いています。
幸い、悪阻など体調に大きな浮き沈みがなく妊娠前と同じく食欲旺盛、かといって食べていないと吐き気がするわけでもない=食生活「変化なし」。肌はもともと揺らぎやすいので、妊娠どうこうって感じでもない=肌質「変化なし」。そして、性格。こちらもまったくもって「変化なし」!(笑)
初めてのことに挑戦するとき臆病になってしまうところ、でもやりはじめたらのめり込むところ、些細なことでも考え出すと夢にまで見てしまうところ、それでいて楽観的なところ…面倒くさい性格です。新しい命を宿し、母親になる準備をするうちに、人としてどんどん強く大きくなっていくものだと思っていたのにな〜おかしいな〜(笑)。
ちなみに、「変化なし」の妻に対し、夫はというとかなり「変化あり」。
唯一苦手意識があった “料理” も練習を重ねて一汁三菜を並べられるようになったり(はじめはピーマンの切り方もネット検索していたのに)、家の中の動線を整えたり、会食や出張の回数を減らしたり…。その様子を見て頼もしさを感じながら、焦りもありました。
いや、でもよくよく考えてみたら彼はいつだって臨機応変だし効率的。「変化あり」だけどそういう意味では「変化なし」。なーんだ、ふたりとも「変化なし」じゃないの。…そう思って安心する私は、やっぱり楽観的な部分が「変化なし」です…(笑)。
そういえば私、着るものの好みも「変化なし」でした。
さすがにパンツは中期以降マタニティ用を2本買いましたが、スカートはBEIGE,の歴代のリブスカートシリーズに頼りっぱなし。黒のリブタイトスカート(19SSのもの)、エクリュホワイトのミラノリブマーメイドスカート(21SSのもの)をヘビーローテーション。いずれのウエストも幅広かつリブ仕様で突き出してくるおなかにも対応する伸縮性がありがたかった…!
でも単に体が入った喜びだけではなくて。やっぱりBEIGE,の服を着ている自分は、鏡で見ると安心するし、自信がもてるのです。
スカートに限らず、どのシーズンのどのアイテムも、シンプルで普遍的なデザインに加えBEIGE,らしいこだわりをピリッと感じる。とにかく素材が上質で何年着ても廃れない。都会的なキレがあって、着ると気分がシャキッとする。…このコラムで毎回語ってきましたが、改めてそのことを実感しました。
今回紹介する4枚のグレーニットもそう。
まずはVネックのこちら。実は前回紹介したハーフジップニットと同素材で、あたたかさと軽さを兼ね備えたウール100%。ただ、前回のハーフジップニットが片畦編みでざっくりした風合いなのに対し、こちらは天竺編みでフラット。
素肌に一枚で着たとき、深すぎず広すぎずデコルテにヘルシーなVを描く。メンズもので探すと見つかりそうな(でもレディースではなかなかない)、計算された “素っ気なさ” が魅力のVネックニットです。
他にも、ウールパイル地のスウェットニット(左)、カシミア混タートル(中)、アルパカの風合いが珍しいスキッパーニット(右)など…。リラックス感と、一枚で成立する着映え感、大人の年末年始にしっくりくるラインナップです。
さて…このvol.9をもって、2022AWシーズンはおしまい。
こっそり読んでくださっていた皆さま、あたたかい感想をお寄せくださった皆さま、そして妊娠を伝えた際も変わらずコラムを任せてくださったBEIGE,の皆さま…本当にありがとうございました! 多くのかたに支えられ楽しく書き続けられたことが、穏やかな妊婦生活に間違いなく繋がっていました。
2023SSのコラムがスタートするのはおそらく春前ごろ。変わることも変わらないことも甘んじて受け入れて、自分の言葉で伝えていきたいと思っています。引き続き読んでいただけたらうれしいです!
それでは皆さま、良いお年をお迎えください!
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ニット/¥17,600(税込)
ニット/¥27,500(税込)
ニット/¥28,600(税込)
ニット/¥47,300(税込)
【profile】
1985年愛知県名古屋市生まれ。大学卒業後上京し、約5年半、人材系企業に営業職として勤務。28歳でエディターを志し、転身。現在はフリーランスのファッションエディターとして主婦の友社『GISELe』、講談社『mi-mollet』などで編集・執筆中。Instagram@kobayashi_bunでは日々リアルなコーディネートを更新中。noteではエッセイも。