2019SSEssence

2019/04/05

【ロングジレ】難しいことは考えない、が鉄則ですvol.12

「食わず嫌い」というのをあまりしないようにしています。食べ物でいうと、海外でよくわからないメニューを見たらワクワクしながらオーダーするし、人間関係でも、初対面の人とはとりあえず一通り話してみる。ファッションでもそう。買い物へ行って目新しいものを見つけたら、まずは試着室へ直行します。食べ物でも人でもファッションでも、その結果「微妙だな!」と思えばそれはそれまで(笑)。でもちゃんと自分で試さないと、「絶品じゃん!」というものにも出合えない。だから「食わず嫌い」はしないようにしています。

…なのですが、基本はそうなのですが。…白状すると、実はファッションアイテムでひとつだけ「食わず嫌い」していたものがあります。それが「ロングジレ」。今までは展示会でもショップでも、その前を素通りしていました。

「ロングジレ」って、袖がないのに丈は長くて、やたらモードな風を吹かせている(ように感じる)。「おしゃれ偏差値」が相当高くないと着てはいけないような、そんなちょっと近寄りがたいイメージがありませんか? ファッションや雑誌に関わっている私が言うのもアレですが(笑)。

今回の【JADE】シリーズも、初見ではちょっと距離を置いていました。が、30秒くらいして「ん?」「んん?」と急接近(笑)。とっても軽やかな雰囲気に驚いて! 従来のロングジレって、たいがい重量感があって、袖なしコートという感じ。でもこれは重さがなく、キャラクター的にもさっぱりしています。

その軽やかさの秘密は、素材の組み合わせ。前身頃は高密度なハリのあるコットンできちっとしているのですが、後ろ身頃にはやわらかなオーガンジーをたっぷり使用。厚みも硬さもはっきりとした差がありつつも、同色ゆえ一体感があります。着るとオーガンジーの裾部分に風がふわっと抜ける。ロングカーディガンのような軽やかさと、テーラードジャケットようなきちんと感のいいところどりをしたような、そんな新しい発見があります。

初体験の「ロングジレ」。なかなか「おいしい」ということがわかりました(笑)。いつものTシャツ×デニムのスタイルに羽織るだけで、ちょうどいいモード感を味わえそうです。上/私の推しポイントはこのドレッシィな後ろ姿! 正面がマニッシュだからこそ、華のあるバックデザインが嫌味に見えません。
中/ウエスト部分に幅広なコットン地があるおかげで、オーガンジーが広がりすぎず、腰位置も高く見える。スタイルアップにも効果的です。
下/ザラッとシボ感のあるオーガンジーなので、過度なスケスケ感がなく、上品です!

 ロングジレ/¥41,000(税別)

【profile】
1985年愛知県名古屋市生まれ。大学卒業後上京し、約5年半、人材系企業に営業職として勤務。28歳でエディターを志し、転身。現在はフリーランスのファッションエディターとして小学館『Oggi』、講談社『mi-mollet』などで活躍中。またアパレルブランドや百貨店との商品開発、トークイベント、コラム執筆も担当。Instagram@kobayashi_bunでは日々リアルなコーディネートを更新中。noteではエッセイも。