2019SSEssence

2019/03/29

【リブニット】大人のカラダに優しい秘密は…vol.11

この仕事をしていると、ファッションを通していろいろな年代の方とお話しをする機会があります。先輩方(あえてこの言い方にします)が、「体型が変わったから〜」「若い頃とは違うから〜」と服選びの際枕詞のように使っていた言葉。かつて20代だった私は「ヘー」くらいにしか思わなくて(笑)。だってその頃の自分にはまったく関係のない話だったから。でも今33歳になって、自分にも例外なくやってきました、あの枕詞をつい使ってしまうシーンが。

私の場合は、下腹部がポコッと出たり、肩まわりが丸くなったり…。インスタグラムで写真を投稿するときは、少しでもそれらが目立たないようなカットを選ぶよう、気をつけています。

他にも私なりに気をつけていることがあって。それは、「後輩たちに自虐ネタで気を遣わせないこと」「自分の体型の変化を見て見ぬふりをしないこと」です。これらはかつて後輩側だったからこそ、肝に銘じています。自虐の返答を期待されるのも、目のやり場に困るのも面倒だった(笑)。先輩も後輩もお互いノンストレスに会話しましょうよ、というのが私のモットー。

では自虐に逃げず、体型の変化も受け入れつつ好きなものを着るにはどうするか。私の答えは「大人ブランドに頼る」です。例えばリブニット。リブニットって20代のころはなーんにも考えなくてもさらっと着られたけれど、今はちょっと緊張する。この気持ちに寄り添ってくれるブランドにシフトしなければいけません。大人をターゲットにしたBEIGE,がこの春作ったリブニット、【TRISH】シリーズは随所に配慮を感じます。

まず、丸みを帯びた肩をさりげなく覆ってくれるノースリーブ。デザイナー宮下さん曰く、「試作では肩パットを入れていた」そう。「そうすることで、リブニットにきちんと感が生まれるから」と。そこから試行錯誤を重ね、共糸を肩パットのかわりに用い、芯をキープする仕様に。より着心地よく、それでいてラフ過ぎない新感覚のノースリーブです。

スカートもこれまたすごい! どうしてもボディコンシャスすぎてしまうリブニットスカート。ウエスト部分を他の部分より細いリブにし、気になるぽっこりお腹が強調されないようにしています。たっぷり長さをとっているので、二つ折りにするもよし、くしゅくしゅさせてニュアンスを出すもよし。それぞれのウエスト事情に応じて調整可能。はぁ……なんて大人に優しいのでしょう!

好きなものは好き。この先も好きなものを着たいから、体型が変わったことはちゃんと受け入れつつ、信頼できる大人ブランドに駆け込む…これが33歳の私の選択です!上/肩先は覆われているけれど、タートル部分は程よいゆとりがある。肌見せ分量のメリハリ、絶妙です。
下/サイドにすーっと細いラインが。ここにも単調になりがちなリブニットスカートにメリハリを生む工夫が散りばめられています。

トップス/¥23,000(税別)
スカート/¥23,000(税別)

【profile】
1985年愛知県名古屋市生まれ。大学卒業後上京し、約5年半、人材系企業に営業職として勤務。28歳でエディターを志し、転身。現在はフリーランスのファッションエディターとして小学館『Oggi』、講談社『mi-mollet』などで活躍中。またアパレルブランドや百貨店との商品開発、トークイベント、コラム執筆も担当。Instagram@kobayashi_bunでは日々リアルなコーディネートを更新中。noteではエッセイも。