2021SSEssence
2021/04/02
【シャツワンピース】「アレください!」買いについて
居酒屋や定食屋さん、ビストロでオーダーするときって、どうやって決めていますか?
私はとにかく葉物野菜が大好きなので、“春菊”“クレソン”“パクチー”あたりのサラダがあればマストで頼みます。あとは、いちじくやマッシュルーム(生のもの)の前菜も。とりあえずそのあたりを着席後数秒でオーダーして、あとはビールを飲みながら考える派です。メニューの字面を見て、「わぁ、美味しそう!」と想像するあの時間、楽しいですよね〜。
…ん? なんのコラムでしたっけ? お腹が空いているようです、すみません。でももう少しだけお付き合いください(笑)。
メニュー名だけでは味の想像がつかないもの、食べたことのないメニューを頼むのも好き。それと私、最近気が付きましたが「アレください!」とオーダーすることも好きみたいです。
「アレください!」とは、隣りや近くのテーブルをこっそり指さして、「アレください!」とスタッフのかたに耳打ちするオーダー方法のこと。
どうしてなんでしょうね〜、他人が食べているものが無性に美味しそうに見えるのって。メニューの字面だけでは思い描けなかった魅力的な色彩や照り、盛り付け・・・目で見ると食欲が倍増します。
さて、ここからが本題です(笑)。
BEIGE,の展示会でも「アレ買います!」と宣言したものがある、という話です。
昨秋、BEIGE,の展示会会場に到着した際、デザイナー宮下さんが別の方に熱心にご説明されているのが目に入りました。宮下さんファンの私は、近くでお話しするのも大好きですが、遠くからこっそり拝見するのも大好き。近寄りがたいわけではまったくないのだけれど、とってもオーラがあって、それをしばらく眺めていたいのです。
その日は、新作の黒ワンピースを着ていらして。バンドカラーのシャツワンピース。すとんとしたシンプルなIラインに大きなポケット、裾の両サイドには深めのスリット。シルバーグレーのショートヘアにとってもよくお似合いでした。
会場に着いて数秒で「私、アレ買いますね!」と出迎えてくださった受付の方に宣言していました(笑)。その色違いがこのブルー。私がMサイズを着るとしっかりロング丈。でも裾に入ったスリットのおかげでスニーカーでも抜け感がたっぷりでもっさりしない。とても計算されたバランスです。ウエストについている共布ベルトはさらっと垂らしてもいいし、ざっくりラフにかた結びしてもよし。後ろ姿にニュアンスが生まれます。それと個人的な萌えポイントの寄りを。首元にご注目ください。襟が断ち切りになっていて、ステッチも効いているんです。ほんの些細なことのようですが、この繊細な仕事が「ああ、BEIGE,って洒落てるな〜」と改めて思います。
素材はパリッとしたシャツ地ではなく、ほんのり膨らみのある、しっとりとしたコットン。とってもリッチで大人っぽいシャツワンピースなんです。
・・・と熱っぽく書いても、やはり実際に目で見てもらうのがいちばん!
今週末はぜひ、ショップで試着して見てください♡
ワンピース/各¥39,600(税込)
【profile】
1985年愛知県名古屋市生まれ。大学卒業後上京し、約5年半、人材系企業に営業職として勤務。28歳でエディターを志し、転身。現在はフリーランスのファッションエディターとして小学館『Oggi』、講談社『mi-mollet』などで活躍中。またアパレルブランドや百貨店との商品開発、トークイベント、コラム執筆も担当。Instagram@kobayashi_bunでは日々リアルなコーディネートを更新中。noteではエッセイも。