the essence
2023/04/07
vol.3【シルク】“白い服”を求めて
|エディター小林文「BEIGE,の奥深きシンプル」
我が子が産まれてあと数日で4か月。生後1か月のころは「最短でもこの3倍の日数を乗り越えないと保育園に入園する資格がないのか…」と逆算しては、遠い目をしていました。あのときは本当に辛かった…。
けれど、あるときから(先月ごろから)少しずつ親である私たちも子どもも心身ともに慣れてきて、ついに今週から保育園に入園。両親以外の大人や自分と似たような年ごろの子がいることを知り、彼なりに刺激的な “しゃかいじん” 生活をスタートしているようです。
このコラムで何度も「妊娠しても出産しても自分は変わらなかった」と書いてきました。そこには安心も落胆も両方の意味がありました。でもまあ、細かく言えば変わったこともあります。
そのひとつに、着る服の色。
今までは黒やネイビー、グレーが私のワードローブの基本、そこに濃淡をつけながら日々のコーディネートを楽しんできました。それが人の親になり、 “白” 多めに一変したのです。
子どもを産んで気持ちが優しくなったから? ぽや〜んとした子どもの雰囲気に合わせて? 後者の影響はあったとしても、前者は否定しておかなければいけません(夫に強めにあたっているので)。
では白が多くなった真相は? …ずばり、「汚れが目立たないから」です。
今までの人生では、「汚れが目立たない」=濃色、でした。けれど子どもを抱いていると、黒・ネイビー・グレー(チャコール)って、とにかく汚れが目立つ目立つ! 今はまだミルクしか口にしていない我が子、口から吐き出すのもミルクオンリー。白い服なら大惨事が起きても、最悪ごまかせるのです(笑)。離乳食がはじまったらまた話は別なのでしょうが。
とはいえ、汚れてもいいテキトーな服を選ぶのはなんだか違う。気分にメリハリがなくなって、なにもかもどうでもよくなるのは性に合わない。だから、最近は “白くて洗える服” に頼っています。
BEIGE,のこのブラウスなんてまさにドンピシャ! シルクなんですよ。でも洗えるんですよ、自宅で。
ペラペラしていない、ほどよく膨らみのある17匁(もんめ)という生地のシルク。ウエディングドレスで使用されるようなツヤツヤピカピカなシルクとは違って、こちらは落ち着いたシルク。表面はうっすら起毛しており、 “ピーチタッチ” というそうです。細かーく起毛しているあの桃肌の風合い、わかりやすいですよね!
とろんとした素材とたっぷり分量を使った体のラインを拾わないボクシーなシルエット。ボトムにインせず、そのままさらっと着てみましょう。え、シルクってこんなにラクに着ていいんだ、特別な日に限定しなくていいんだ! 今までの常識を軽やかに変えてくれます。
カットソーだってシルクだって、結局は洗濯しなくてはいけない。だったら、ちょっとイイ洗剤でも買ってみようかな。ドラッグストアの棚の前で数分悩む時間も案外楽しい!そんなことにも気づかせてくれる “白い服” 。いつもは濃色を選びがちな皆さんにこそ、オススメです!
ブラウス/各¥42,900(税込)
ワンピース/¥61,600(税込)
イージーパンツ/¥46,200(税込)
バギーデニム/¥33,000(税込)
【profile】
1985年愛知県名古屋市生まれ。大学卒業後上京し、約5年半、人材系企業に営業職として勤務。28歳でエディターを志し、転身。現在はフリーランスのファッションエディターとして主婦の友社『GISELe』、講談社『mi-mollet』などで編集・執筆中。Instagram@kobayashi_bunでは日々リアルなコーディネートを更新中。noteではエッセイも。