2023AWEssence
2023/10/26
vol.7【グレーとピンク】覆わない隠さない!ニットをしっかり主役として
|エディター小林文「BEIGE,の奥深きシンプル」
いよいよ2023awのコラムの最終回を迎えました。脳内で小森谷徹さんをイメージしながら(詳しくはvol.1へ)ゆるゆる読んでいただき、ありがとうございます!
それにしても、今年は季節が牛のスピードで進んでいますね。SNSで数年前の写真をさかのぼっていると、10月末はステンカラーコートやトレンチコートを羽織っているというのに、2023年はまだクローゼットで眠ったまま。どちらもお気に入りなので寂しい限りです。
でもこれはこれでいいこともあります。それはニットをアウターなしで楽しめそう!ということ。
長い冬がはじまるとすっぽりコートで覆われてしまうニット。せっかく夏の終わりからネットでリサーチして、お店で試着して、安くないお金を払って…ようやくお気に入りの一枚を手に入れるのに、結局シーズンの大半はコートに覆われて主役感がない(薄い)…それがニットの運命…ううう、書いていて悲しくなってきました…。
けれど、今年は違います! アウターを着るほどではなさそうな11月上旬(東京の場合)くらいまで、ニット一枚で出かけられそうなのですもの!
ニット日和が続きそうな2023年秋、BEIGE,のなかでもテンションの上がるニットを紹介しましょう。
ますは、グレーのニット。
ライトグレーのニットはアルパカを使っていて、ふんわりリッチな風合いが特徴。極細で繊細なアルパカ糸は“チクチク”とは無縁です。よーく見てみてください。身頃部分に小粒のスパンコールがキラキラ。首や袖にはなく身頃だけ。ノンストレスでキラキラ気分を満喫できます。
チャコールグレーの方は、モヘア。その素材を聞いただけでもふんわり多幸感に包まれますが、さらにファー加工を施しているそうで。表も裏もふんわり優しいタッチに仕上がっています。
オススメの合わせは、スパンコールスカート。光の加減や体の動きに合わせて黒っぽく見えたり、はたまたつやつやして見えたり。すそにサテンをあてており、肌に直接スパンコールが触れないようになっている。心遣いがここでも感じられます。
今季のBEIGE,のテーマは「パリシック」だとvol.1で書いていますが、ニットにもそんなエッセンスのきいた小粋なピンク、揃っています。
メリノウールにカシミヤをブレンドしたライトピンクのニット、上のライトグレーと同じアルパカシリーズのビビッドピンクカーディガン。どちらも黄みのないピンクなので、グレーや黒などと相性バツグン。デニム、タイトスカート、レザーパンツなど、ニットとのメリハリを意識して、ピンクを“甘い”“かわいい”ではなく“かっこいい”ものとして捉えると、パリシックな装いに近づきそうです。
2023aw最終回は、主役をはれるニットを紹介しました。シンプルなボトムを一気に華やかにしてくれるニット、着るだけで優しい気持ちにしてくれるニット、コートの脇役にしてしまうのはもったいないニットたち。暖冬のはじまりをゆっくりゆっくり、楽しんでいきましょう!
今シーズンもありがとうございました!
カーディガン/¥39,600 (税込)
タートルニット/¥39,600 (税込)
スパンコールニット/¥37,400 (税込)
モヘアニット/¥70,400 (税込)
スパンコールスカート/¥55,000 (税込)
【profile】
1985年愛知県名古屋市生まれ。大学卒業後上京し、約5年半、人材系企業に営業職として勤務。28歳でエディターを志し、転身。現在はフリーランスのファッションエディターとして主婦の友社『GISELe』、講談社『mi-mollet』などで編集・執筆中。Instagram@kobayashi_bunでは日々リアルなコーディネートを更新中。noteではエッセイも。