the essence
2023/05/17
vol.7【ジャージー素材】百貨店と路面店と古着屋と
|エディター小林文「BEIGE,の奥深きシンプル」
会話のなかでぽろっと「名古屋出身なんですー」と言うと、「あんかけパスタっておいしいの?」とか「とんかつに味噌かけるんでしょ?」などと質問されて面倒な思い(笑)をしたことが何度かあります。ちなみに私の場合、「知りません」「かけません」。パスタはイタリアンなテンションでしか食べないし、とんかつにはソース一択。大学卒業までがっつり名古屋で過ごしたものの、だからこそ、“名物”なるものは縁遠かったような気がします。
ただ、自分のことを「名古屋人だな〜」と感じるポイントがたしかにあります。それは、「百貨店が好き!」ということ。そう、メディアでそんなに取り上げられませんが、名古屋人はみんな百貨店がだ~いすき!なのです。
栄地区には三越や松坂屋があるし、名古屋駅地区には高島屋がある。新しくできたファッションビルもいくつかありますが、贈り物を買いに行くときなどはやっぱり老舗の御三家へ…という人がまだまだ多いそうです(私調べ)。
上京して15年ほど経ちますが、こっちでも百貨店へ行くと気分が高揚します。新宿で時間を潰すときは伊勢丹へ、銀座なら三越からの松屋、日本橋なら高島屋。家に帰るころには足が棒になっていますが、それでも下から上までぐるぐるしちゃう。あの、ビルのなかに国内外からのものがギュギュッと集合している感じ…無性にワクワクします。
特に好きなのはデパ地下。食いしん坊ゆえ、山のように盛られたサラダの量り売り、上品に陳列された季節ものの和菓子、最寄りのスーパーよりも3割以上高く(もっとかな)値付けされた野菜が並ぶ生鮮コーナー…たまりません。もちろん、特別な日、必要なときにしか買い物をしませんが(毎日行ってたら破産しちゃう!)、ぐるぐるしているだけでもなんだかパワーがもらえます。そういえば、名古屋の祖父も、仕事が終わると松坂屋のデパ地下に寄って紙袋を下げて帰ってきてたっけ。遺伝(隔世だけど)って怖いですね。
でもまあ、東京生活も長くなってきているので、百貨店以外の楽しさも覚えました。各街にある路面店、個人店、そして古着店。新しい街に降り立って、自分好みの小さなお店を見つけると、おお!とうれしくなりますし、寡黙な店主と仲良くなって近くのおいしいお店など教えてもらうのも楽しい。距離感が近く話せるのも非百貨店のいいところかもしれません。
ただ、問題がひとつ。百貨店も路面店、個人店、古着屋も同日に行ける服って難しくないですか?ってこと。
百貨店に行くならやっぱりきれいめな服を着ていかなきゃっていう気になるし、個人店ならちょっと“オシャレだな”って思われたい(笑)。
そんなときにちょうどいい、どっちにも対応できるのが今回のジャージーシリーズだと思うのです。
このトップスとパンツ、落ち感があって、一見、ツヤ消しをしたシルクのようにみえませんか?着てみても軽々しくなく、程よく重みを感じる。そしてたっぷり要尺を使っているからドレープが美しく流れる。どこからどう見てもシルクでしょ?と思うのですが、ジャージー素材なのです。
セットアップで着るのはもちろん、トップスは色落ちのしていないデニムにも合うし、パンツは古着のロックTシャツなどにも似合う。どこのお店をどうハシゴしても楽しく、ストレスなく(着心地もよく疲れないし)、買い物を楽しめる服なのです。
ちなみに私は昨夏ハイネックブラウス(エクリュ)を、今季はパンツ(黒)を新調。この夏も楽しく物欲と戦いますよ(笑)!
ハイネックトップス/¥19,800(税込)
ノースリーブトップス/¥25,300(税込)
イージーパンツ/¥29,700(税込)
【profile】
1985年愛知県名古屋市生まれ。大学卒業後上京し、約5年半、人材系企業に営業職として勤務。28歳でエディターを志し、転身。現在はフリーランスのファッションエディターとして主婦の友社『GISELe』、講談社『mi-mollet』などで編集・執筆中。Instagram@kobayashi_bunでは日々リアルなコーディネートを更新中。noteではエッセイも。