2022SSEssence
2022/03/18
vol.2【シルク&カシミア】ラグジュアリーな装い、“シャツ”という選択
“書くこと”を仕事にしているくらいなので、文章で想いを伝えるのは好きなほうです。でも、人前で“話すこと”はまるっきりダメ。緊張して早口になってしまったり、「あそこはもっとああやって言ったほうが伝わったかな…」と後悔したり。寝る前にベッドの中でひとり反省会を開いてなかなか寝付けない…なんてこともよくあります。
5年前、私たち夫婦の結婚式のとき。両家の家族やごく少ない友人たちの前で、私の父が挨拶する番になって。さっきまでニコニコと私や私の友人たちと談笑していたのに、急に緊張し、用意した紙とは別のことを途中から話して収拾がつかない状態に。
私はそんな父の横で、思わず泣きながら吹き出してしまって。私と父が同じような顔をして笑った写真が、アルバムに残っています。私の話しベタはきっと父譲りなのだと、諦めた瞬間でした(笑)。
大勢の前で話すのは不得意ですが、私は誰かと話すこと自体は好きなのです。そして、誰かが誰かと話しているのを聞くのも好き。
例えば、金曜日、仕事帰りに寄る馴染みの小さなビストロ。会社の愚痴を言っている同僚グループ、スマホで天気予報をチェックしながら週末の予定を話し合うカップル、自宅のお茶の間感覚でくつろぐ働き盛りの母娘。
毎週末ではないけれど、たまにひとりでふらっと行っては、いろんな人の話をお酒を飲みながら“ラジオ感覚”で聞かせてもらっています。
金曜の夜、さくっとひとりでビストロ飲み。けっして高くないお店ですが、私にとっては至福のひととき。服だって、気持ちが上がるものを選びたくなります。
これからの季節なら、シルクのシャツを素肌にさらりと一枚で。
BEIGE,10周年を祝したシリーズのこのシャツは、つやつやしすぎないなんともシックな光沢が特徴です。ほんの少し地厚で表面に斜めの織りが走るシルクツイル生地。製品洗い加工を施しているため、品のいい艶を放つのだそうです。
バンドカラーをスキッパーのようにした、デコルテに抜け感のあるデザイン、体のラインを拾わないビッグシルエット…大人の余裕を演出してくれます。
同素材のパンツはスカート見えするたっぷりとした分量で、セットアップで着るとドレープが重なりあって美しい。いぶしたゴールドのようなベージュは、夏のリゾートで着てもかっこいいと思います。
10周年アイテムでいうと、カシミアのシリーズも注目。
肌が透ける繊細でエアリーなカシミアは、冬のカシミアとはまた違う、春の贅沢。リブの主張が少なく、究極に肌に溶け込むようなシアー感です。
そこに合わせるのは、ハリのあるパンツ。デザインはワイドデニムのようなカジュアルさがありつつ、素材自体は、あまく織られているサマーツイードのような風合い。センタープレスやヒップの縦長ポケットできれいめにはけるバランス調整をしてくれていて、大人にぴったりなパンツです。
日々のなにげない時間をちょっとリッチに。大人になった私たち、素敵な時間と服をキープしたいものですよね。
シャツ/¥53,900(税込)
パンツ/¥59,400(税込)
ニット/¥39,600(税込)
ニット(2set)/¥37,400(税込)
ワイドパンツ/¥39,600(税込)
【profile】
1985年愛知県名古屋市生まれ。大学卒業後上京し、約5年半、人材系企業に営業職として勤務。28歳でエディターを志し、転身。現在はフリーランスのファッションエディターとして小学館『Oggi』、講談社『mi-mollet』などで活躍中。またアパレルブランドや百貨店との商品開発、トークイベント、コラム執筆も担当。Instagram@kobayashi_bunでは日々リアルなコーディネートを更新中。noteではエッセイも。