2020AWEssence
2020/10/30
【柄アウター】忙しい朝、主役級コートが1枚あればvol.12
コート探しをしている人にとって、背中を押すひとことは「いろいろ着回しがききますよ」かもしれません。
コートって、冬服の予算面でもクローゼットでの収納面でも大きな割合を占めてくるので、Tシャツ1枚買うのとはやっぱりわけが違う。いろんなショップをまわって、比較検討して、お財布とも相談して、ひと晩寝て、翌朝また冷静になって考えて・・・それでようやく購入する(こんなに考えすぎるのは私だけ?汗)。だからこそ、「どんなコーディネートにもバシッとハマる」という汎用性が伝わると安心するものです。
けれど、今回のこのコートに関しては、あえてそれは書きません(笑)。ではどう背中を押すか。それは、「忙しい朝にいいですよ〜」です。
実は私、昨年BEIGE,の柄コートにとっても助けられました。ブルーとブラウンのチェック柄で、毛足の長いシャギーのコート。存在感があって、コーディネートの主役になるコートです。
その“主役”らしさこそが、忙しい朝、本当にいい仕事をしてくれて。「やばい、寝坊した! あと15分で家を出なきゃ!」というとき、くすみブルーのタートル×ブルーデニムにさっとそのコートを羽織るだけ。それだけなのに、あら不思議! とっても素敵な冬のスタイルの完成〜! なのです。冬の朝にめっぽう弱い私にとって、とても頼りになるコートでした。
そんな実体験を経て、今季の柄コートも忙しい朝におすすめしたいのです。
限りなく白に近いベージュ地に、グレー、ブラウン、ネイビー、白で構成された千鳥柄。よく見かける千鳥柄は単色でコンサバなイメージなのに対し、こちらは複数色使うことで奥行きがある。クラシカルなんだけれど、古臭くない、角もない。
そう、“忙しい朝”にちょうどいいのは、この複数色使いの柄。
ニット×パンツ(orスカート)を、柄にある色を拾って、グレー、ブラウン、ネイビー、ベージュ、白のどれかに揃えてしまえばOK。ワントーンの上下を着るのは、忙しい朝の私の常套手段ですが、そこに柄コートがあれば、コーディネートが一気に格上げされるのです。
デザイナーの宮下さん曰く、パリの生地の展示会でこの千鳥柄を見つけたとき、「ぜひこれでアウターを作りたい!」(詳しくはこちらへ)と、ときめいたのだそう。「いい生地を触っているときが一番幸せ」というベテランデザイナーさんに「作りたい」と思わせる生地というのもワクワクします。そのワクワクはコートだけに留まらず、同生地でジャケットも。コートはVのノーカラーにスウェードテープを施し、究極にシンプルで贅沢なロングコート。ジャケットは大きなポケットや本革のボタン、そして、ツイード風に端をほどいていて・・・デザイン性たっぷり。
ジャケットも同じく、インのトップスとボトムはワントーンにするだけできまります。
“忙しい朝”―――。
着替えが簡単で、出先でもテンションが上がる相棒がクローゼットに控えてくれていると思うと、ぐっと心が軽くなる。ひょっとしたら、ゆっくり座ってコーヒーを飲む時間だってできるかもしれません。ね!
コート/各¥130,000(税別)
ジャケット/各¥89,000(税別)
【profile】
1985年愛知県名古屋市生まれ。大学卒業後上京し、約5年半、人材系企業に営業職として勤務。28歳でエディターを志し、転身。現在はフリーランスのファッションエディターとして小学館『Oggi』、講談社『mi-mollet』などで活躍中。またアパレルブランドや百貨店との商品開発、トークイベント、コラム執筆も担当。Instagram@kobayashi_bunでは日々リアルなコーディネートを更新中。noteではエッセイも。