2021SSEssence
2021/02/19
【春コート】所信表明とともに、春一番に着たいもの
こんにちは。“はじめまして”の方もいらっしゃるかもしれませんので、改めてご挨拶を。このBEIGE,のコラムを2018AWから担当している、エディターの小林 文と申します。よろしくお願いします。
かれこれ6シーズン目となるこのコラム。毎シーズン、Vol.1を書き始めるときはドキドキ。「BEIGE,をまだよく知らない方に、どう語りかけたら興味を持ってもらえるかな?」と、私なりにいろいろ考えたりしています。割とパーソナルな出来事を書いているので、「これって私だけ? こんなこと共感してくれるだろうか…」と思うこともあります。もっとわかりやすく共感をそそるワードを使った方がいいだろうか…と迷うことも実はあります。
そんなちょっとした不安を抱いたとき、ふとデザイナー宮下さんのことを思い出しました。
今回の2021SSは、20世紀を代表するフランス人女性建築家・デザイナーのシャルロット・ペリアン氏からインスピレーションを得たこと、パリで彼女の展覧会を実際に見て感動したことなどを、キラキラとした表情で楽しそうに私に語ってくださったのです。
私はそれまで“シャルロット・ペリアン”という名前こそ知ってはいたものの、その人柄や功績はほぼまったく知らなくて。でも、「自分のブランドにまでその感動を落とし込むって、どんな気持ち!? そんなに感動させちゃうペリアンって何者!?」と、 宮下さんを通して、ペリアンに興味を持ち、その晩、Amazonでペリアンの自伝本をポチッとしました。寝転がって仰向けで読むには分厚すぎる自伝を、テーブルに置いて1ページ1ページめくりながら読んでいます。
その宮下さんとの会話で、私の中の霧は晴れたのです。BEIGE,の服にまだ触れたことがない人にとって、私の声がふわっと風にのって届けばいい。無理に多くの人に共感されることを意識せず、数人でもいいから「小林さんがいつも熱っぽく語っているBEIGE,ってなに?」と興味を持ってもらえたらいい。大きな“共感”を欲するより、未知のモノ・コトの扉を開く “きっかけ”のひとつになれたら、それは幸せなことだから。
ずっとこの気持ちで書いてきたつもりだれど、改めて「よし、これからもこの姿勢で行こう」と自信が持てました。
わ〜、なんだかいつもに増して前置き長め。そして所信表明っぽい(笑)!
Vol.1のメインアイテムはコットンリネンのスプリングコート。個人的に特筆すべき! と思うのは、ロングすぎない丈感やすっきりとしたIライン。しばらく超ロング丈で風になびいて広がるコートがトレンドだったこともあり、とっても新鮮です。
肩章やスクエアの大きなポケット、太めのバックベルトは、直線的なシャルロット・ペリアンの作品から着想を得ているそう。ジャケットのようにシャープでもあり、カーディガンのように軽やかでもある。
私なら・・・とコーディネートしたのは、スカート見えするドレープたっぷりのベージュのワイドパンツと、春らしいアップルグリーンラメニット。冬のこっくりカラーに飽きた方、ゆるゆるとした気持ちを少しシャキッとさせたい方に、とってもオススメです。
【エディター小林文「BEIGE,の奥深きシンプル」】は、私が実際にBEIGE,を着て、コーディネートして、感じることを今まで同様、徒然なるままに(前置きと脱線多めで)書いてまいります。
二部構成のBEIGE,2021SSシーズン、どうぞよろしくお願いいたします!
コート/¥69,300(税込)
ニット/¥28,600(税込)
パンツ/¥26,400(税込)
【profile】
1985年愛知県名古屋市生まれ。大学卒業後上京し、約5年半、人材系企業に営業職として勤務。28歳でエディターを志し、転身。現在はフリーランスのファッションエディターとして小学館『Oggi』、講談社『mi-mollet』などで活躍中。またアパレルブランドや百貨店との商品開発、トークイベント、コラム執筆も担当。Instagram@kobayashi_bunでは日々リアルなコーディネートを更新中。noteではエッセイも。