2019SSEssence

2019/03/15

【ラメニット】東京らしいラメってこういうことvol.9

2018AWも2019SSも、自分の生い立ちや家族のことなどを交えながら書くことが多いこのコラム。そのたびに母や姉から、「懐かしいねぇ」「そんなこと考えていたのねぇ」などとLINEが届くんです。コラムが家族間コミュニケーションのきっかけにもなっていて…BEIGE,さんには感謝申し上げます(笑)。

今回もそんな話をちょっと。プロフィールにも書いているとおり、私は名古屋で生まれ、大学卒業までを名古屋で過ごしました。名古屋というところは、ファッションもメイクも「華やか」がキーワード。…なのですが、幼いころはトラッドな母の好みでネイビーやグレーを基調にしたカラーを着ていることが多く、今思うとシックな子供でした。その後、制服から解放され、母の趣味からも放たれ、アルバイトで稼いだお金を自由に使えるようになった大学時代。私の中の何かが弾けました。今まで着なかったような、ビビッドなカラー、大きめな柄。ときには「鯉のぼりみたいね」と友人に言われるほどの派手な柄ワンピースも着ていました(笑)。

就職を機に上京。驚いたのは大都会東京は「ニュアンスカラーに溢れている」ということ。ベージュやグレーの幅がとにかく広くて複雑で多様! ピンク味のベージュ、イエロー味のベージュ、ラベンダー寄りのグレー、カーキに近いグレー…。特に「グレージュ」はそれまでの私のワードローブにはなく、その上品な色に感動したのを覚えています。それからすっかりニュアンスカラーに魅了され、いろんなブランドのニュアンスカラーをとにかくトライ。それでわかったのは、「ニュアンスカラーこそ、ブランドによって得意不得意が激しい」ということ。単色ではなく、いくつかを混ぜて色を作っているから、その配分次第では、リッチにも見えるし、逆にチープにも見えてしまう…。トライ&エラーを繰り返しながら、私なりの「ニュアンスカラー鉄板ブランド」をいくつか見つけました。その中のひとつが、BEIGE,だったのです。

「マイファーストBEIGE,」は2018AWのVol.9でも書いた、トープの色出しが最高なロングコート。遠くからもよく目立つような派手色ではまったくないのに、着ていると「それどこの?」と聞かれる率が本当に高い。そんなBEIGE,らしいニュアンスカラーが春夏もありました!

それが【AGGIE】シリーズ。肌馴染みがいいけれど裸っぽくなく、ヘルシーなピンクがかったヌードベージュ。よく見ると粒子の細かーいラメを感じます。繊細で特別なラメ糸を使用しているそうで、決してギラギラすることなく、ラメなのに派手な印象は皆無。着るとなんだか肌がワントーン明るくなるから不思議です! 夏にあえて、カットソーではなくこんなサラッとしたニットを着ていたら…派手ではないのに目に留まるはず。ニュアンスカラー上手なBEIGE,の手にかかるとラメがこんなことになるのねぇ…と感動すらしました。

うん、やっぱり東京らしいラメは東京ブランドにあり! です。上/クルーネックニット、肩や脇のシーム(縫い目)を通常は内側に隠すところを、あえて表に出しています。薄手でヌーディなニットですが、このデザインで自然な立体感が!
中/一方パーカーは縫い目がフラット。ポケットやフードなど、クルーネックニットに比べて全体的にディテールが豊かだからこその引き算。あと、ファスナーなどのパーツも光具合が控えめ。どこまでも品がいいパーカーです。
下/せっかくなのでカラーバリエーションもご紹介。右ふたつはゴールド、左ふたつはシルバー。私は夏に日焼けした肌(元々地黒ですが)に着ることを想定して、ゴールドにしました。

パーカー /¥28,000(税別)
ニット /¥23,000(税別)

【profile】
1985年愛知県名古屋市生まれ。大学卒業後上京し、約5年半、人材系企業に営業職として勤務。28歳でエディターを志し、転身。現在はフリーランスのファッションエディターとして小学館『Oggi』、講談社『mi-mollet』などで活躍中。またアパレルブランドや百貨店との商品開発、トークイベント、コラム執筆も担当。Instagram@kobayashi_bunでは日々リアルなコーディネートを更新中。noteではエッセイも。